交通事故における示談とは│示談金の相場についても解説

2020/03/04

交通事故における「示談」ってなに?

示談交渉はいつから始まる?

示談金には何が含まれる?

このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?

交通事故で負ったケガの治療も、もうじき終了。

ホッと胸をなでおろしたのもつかの間、加害者側の保険会社から「示談金の交渉に入りたい」との電話が…!

でも、そもそも「示談」が何かよく分からない…そんな方も多いのではないでしょうか。

このページでは、示談の意味や、示談成立までの流れについて解説しています。

交通事故の多くは示談で解決すると聞いたことがあります。「示談」って一体何なんですか?

初めて交通事故に遭われた方なら、知らなくて当然です。まずは、「示談」の意味について見ていきましょう。

示談の意味

示談」とは、話し合いによって当事者がお互いの主張に折り合いをつけ、争いをやめる約束をすることをいいます。

交通事故においては、加害者側の保険会社と損害賠償の金額についての話し合いがまとまったときに示談が成立します。

示談金の交渉が完了すると、保険会社から示談で定められた額のお金を受け取ることができるようになります。

 

しかし、示談について注意しておかないといけないことが…

示談が終わるということは、加害者側の保険会社との付き合いが終了するということでもあります。

そのため、示談が成立したあとは、示談で定めた額以上のお金を保険会社に請求することは原則、できなくなります。

 

あとで後悔しないためにも、示談のときに納得のいく示談金を回収する必要があるのです。

示談金には何が含まれる?

交通事故に遭ったら、「慰謝料」をもらえるという話を聞きました。これは「示談金」と同じ意味ですか?

厳密にいうと、違います。たしかに慰謝料は示談金の一部ですが、示談金の内訳にはその他の費用も含まれています。

一般的な傷害事故では、示談金の内訳は以下のようになります。


①治療費
②通院交通費
③看護料
④入院雑費(入院した場合)
⑤診断書作成費等
⑥休業損害
⑦傷害慰謝料


なお、後遺障害があると認められた場合には、さらに後遺障害慰謝料逸失利益という損害賠償も加わります。

示談金の相場

被害者の方が一番気になっているのは、「一体いくらもらえるのか」ということではないでしょうか。

実は、交通事故の示談金には一律の相場はありません

事故の状況やケガの程度、後遺障害の有無など、様々な要因によって金額が大きく変わるからです。

 

それでは、適正な示談金の金額を、自分で算出することはできないのでしょうか。

いいえ、できます。示談金の大半を占める慰謝料と休業損害には明確な算定基準がありますので、ご自身でも金額の計算が可能です。

示談交渉において最初に必要なことは、被害者側の損害額をきちんと計算することです。

特に、休業損害や慰謝料は、算定方法によって金額が大きく変わるので、最大いくらもらえる可能性があるのか、しっかり把握しておきましょう。

 

自賠責保険と任意保険では、示談金の金額は変わりますか?

一般的には、任意保険の方が自賠責保険よりも少し高くなると言われています。しかし、弁護士に依頼した場合はそれよりも高い金額で示談金を請求することが可能です。

慰謝料や休業損害のくわしい計算方法については、別のページで詳しく解説しています。

弁護士に依頼した方が得?交通事故でもらえる慰謝料の話

 

 

示談交渉の流れ

示談交渉は、交通事故が起こった後すぐに開始されるのですか?

いいえ、すぐに交渉が始まるわけではありません。なので、まずは治療に専念してください。

一般的な示談交渉の流れは、以下のようになります。

ほとんどの場合、実際の示談交渉が開始されるのは、損害額が算定できるようになってからです。

したがって、完治するケガの場合は治療が終了した時点から、示談交渉がスタートすることになります。

なお、ケガが完治せず後遺障害等級認定の申請を行う場合は、その申請結果が出てから始まります。

 

示談の交渉では、加害者と直接やり取りをしなくてはいけないのですか?

一般的には、やり取りの相手は加害者側の保険会社の担当者です。加害者と直接交渉するケースは少ないので、安心してください。

もし示談交渉が決裂したら…

交通事故の被害に遭ったら、加害者側からは十分な補償を受けたいですよね。

でも、加害者側の保険会社が、適正な金額で示談に応じてくれるとは限りません。

時には、示談交渉が上手くいかずそのまま決裂してしまうこともあるのです。

 

加害者側の保険会社との話し合いがまとまらない場合は、一体どうしたら良いですか?

示談交渉が決裂した場合、示談ではなく調停や裁判で決着をつけることになります。

示談金の交渉が上手くいかなかったときに行える手段としては、主に以下の3つが挙げられます。


①交通事故紛争処理センターの利用
②調停
③裁判


交通事故紛争処理センターは、自動車事故の損害賠償に関する法律相談や、和解あっ旋及び審査業務を無償で行っている機関です。

公正かつ中立の立場で「示談案」を提示するなど、解決に向けたサポートをしてくれます。

無料で利用でき、全国に11ヵ所の拠点があるので、一度足を運んでみると良いかもしれません。

 

ただし、交通事故紛争処理センターにはデメリットも…

交通事故の種類や加入保険の内容によっては、交通事故紛争処理センターを利用できないケースもあります。

例えば、自転車同士の事故や、加害者が任意保険に加入していない場合などです。

また、利用時には平日に何度もセンターに足を運ぶ必要があるので、仕事を休むなどして時間を捻出しなくてはなりません。

 

なるほど…。それでは、センター以外の解決手段である「調停」と「裁判」は、どう違うのですか?

裁判では最終的に裁判官が法に基づき判決を下しますが、調停では当事者間の「話し合い」で解決を目指します。

示談交渉が決裂したら、必ず裁判になるのかと思っていました。裁判以外にも、色々な解決手段があるのですね。

示談交渉で損をしないために

「これから始まる示談交渉、自分ひとりで対応できるか心配…」

そうお考えの方も、多くいらっしゃるでしょう。

示談のことでお困りならば、一度、弁護士に相談してみませんか?

弁護士に依頼すれば、加害者側との示談交渉を一任することができます。

その上、適正な金額で示談金を請求することができるので、十分な補償を受けられる可能性も高くなります。

 

それならぜひ、弁護士に依頼したいです。でも、弁護士費用を支払う余裕がないので無理かも…。

まだ諦めるのは早いですよ。加入している保険の内容によっては、保険会社に弁護士費用を負担してもらえるかもしれません。

実は、保険会社の特約に「弁護士費用等補償特約」というものがあります。

この特約を使うことができれば、弁護士費用や実費を保険会社に一定限度(通常は300万円まで)負担してもらうことができます。
ケースによっては、自己負担なしで済むこともあるようです。

なお、この特約を使うには、加害者側ではなく被害者ご自身が加入している保険に「弁護士費用等補償特約」という特約がついている必要があります。

また、特約の内容は保険会社によって異なりますので、利用する際には必ず自分の保険会社に確認するようにしてください。

 

弁護士費用等補償特約を使うと、加入している保険の等級は下がりますか?

特約を利用したとしても、等級がダウンすることはありません。安心して使ってください。

アトム法律事務所は、24時間365日、無料相談予約を受け付けています。

まずはお気軽にお問合せください。

交通事故の案件を多数取り扱う弁護士が在籍しておりますので、きっとお力になれることと思います。

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