2020/03/04
交通事故における示談とは│示談金の相場についても解説
2020/02/28
交通事故の過失割合って何?
過失割合はどう決まる?
過失割合が途中で変わるケースとは?
このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?
「被害者側にも非があったので、今回の事故の過失割合は80:20です」
保険会社の担当者から電話でこのように告げられ、何と答えて良いものかお悩みの方もいらっしゃると思います。
このページでは、交通事故における「過失割合」の意味や考え方について解説しています。
目次
交通事故が起こった場合、加害者が100%悪いというケースは実はそこまで多くありません。
被害者側にも何らかの落ち度があることがほとんどです。
たとえば、被害者が信号無視をしていた、右折左折の合図を出していなかったなどのケースでは、被害者側にも非があることが明白です。
そこで交通事故では、公平性を保つために「損害賠償の範囲は双方の過失の大きさに応じて決まる」ということになっています。
つまり加害者は、被害者側の過失に対応する部分については、賠償責任を負わなくてよいのです。
過失がある場合は、被害者も賠償責任を負うことになるのですね。加害者・被害者それぞれの賠償額はどのように決定するのですか?
お互いの過失の度合いを割合で示し、それに応じて賠償金額を決定していきます。この割合を「過失割合」と言います。
事故の過失割合は、具体的な示談金を算定する前に加害者側の保険会社から示されるのが一般的です。
その際、実際の損害額から被害者の過失割合に応じた額を差し引いた金額が提示されることがあります。
このことを、「過失相殺」と言います。
「過失割合・過失相殺」に関する知識をつけておくと、加害者との交渉が有利に運ぶかもしれませんよ。
本当ですか!もっと詳しく教えてください。
過失割合は、示談金の金額を左右する大きな要素です。
これは、基本的に「過失割合を示した基準表」をもとに決定されます。
この表は、過去に裁判所で過失が争われた判例を集めて、事故の過失割合をパターン別に類型化したものです。
一つ、具体的な例を見ながらどのように過失割合が決められるか、見てみましょう。
<事例>
道を直進していたⒶ車は、対向車線から右折してきたⒷ車と衝突した。
ただし、事故が起こったとき、Ⓐ車は15km以上の速度違反をしていた。
このように、直進車と右折車が衝突するケースでは、以下の基準表が用いられます。
<基本の過失割合>
Ⓐ20:Ⓑ80 |
<修正要素>
Ⓑ既右折 | +20 |
Ⓐ15km以上の速度違反 | +10 |
Ⓐ30km以上の速度違反 | +20 |
Ⓑ徐行なし | -10 |
Ⓑ直近右折 | -10 |
※別冊判例タイムス38号より一部抜粋
まずは、基本となる過失割合を確認してみましょう。
<基本の過失割合>の表に書かれている通り、今回のケースでは基本となる過失割合は「Ⓐが20、Ⓑが80」となります。
この割合をベースにして、<修正要素>の表を見ながら割合を加減していくのですね。
その通りです。今回の事例ではどうなるか、一緒に見ていきましょう。
今回の事例では、Ⓐ車は15km以上の速度違反をしています。
<修正要素>の表を見ると、「Ⓐ(車が)15km以上の速度違反」の場合は「+10」と書かれていますので、Ⓐ車の過失が+10%(Ⓑ車の過失は-10%)されることになります。
そうすると、今回のケースでは過失割合は「Ⓐが30、Ⓑが70」ということですね。
そうです。この考え方を理解していれば、ご自身でも過失割合を導き出すことができます。
基本的には、加害者側の保険会社もこの「過失割合を示した基準表」を参考にしていると言われています。
そのため、保険会社から一方的に示された過失割合であったとしても、適正な割合であることが多いです。
しかし、中には「車が動いている以上、被害車両にも過失がある」というよくわからない説明をする担当者もいるようです。
提示された過失割合やその根拠に疑問を感じる場合は、保険会社に以下の2点を確認してください。
・過失割合は、『過失割合基準表』のどの事案に基づいて決定されたのか
・過失割合算出の根拠となる具体的な裁判例はあるのか
保険会社が根拠としている事案や裁判例が、あなたの交通事故の状況と異なっているかもしれません。
そのような場合は、相違する点をしっかり指摘して、過失割合の再検討を求めましょう。
加害者側の保険会社と一度話がまとまったのに、しばらく経ってから突然「予測と異なる過失割合である」と言われました。
話し合いはもう済んだと思いきや、急に過失割合の変更を言い渡される…。
実はこれ、それほどめずらしい話ではありません。
事故によって過失割合が変わる原因は異なりますが、ここでは2つの代表的なケースをご紹介します。
交通事故の示談交渉の中で、物損部分と人身部分で異なった過失割合が提示されることがあります。
車同士の事故であれば、多くの場合、自分自身だけでなく、運転していた自動車にも損傷が生じます。
そのため、加害者側は人身部分と物損部分の両方について損害賠償責任を負うのですが、両者で過失割合が相違することがあります。
そういえば、物損事故の担当者に「本来の過失割合は90:10だけど、5%まけてあげる」と言われました。
通常、一定期間の治療が必要な人身部分と異なり、物損部分の損害金額は事故のあと比較的すぐに確定します。
そこで、保険会社の担当者は「物損部分は先行して早期に示談を成立させよう」と、過失割合のディスカウントを持ち掛けることがあるのです。
「過失を大目に見る代わりに、早く示談してほしい」ということなのですね。
はい。人身部分に比べて物損部分の損害額は少額で済むことが多いので、保険会社が過失割合のおまけを提案することはよくあります。
このように、物損部分の損害については、過失割合をまけてもらえるケースがあります。
しかし、人身部分についても物損部分と同様のパーセンテージが適用されるとは限りません。
保険会社からすれば、物損部分をおまけしたからといって人身部分までディスカウントする必要は全くないということになるのです。
そのため、「人身部分は90:10」「物損部分は95:5」といった形で示談が成立するケースがあります。
過失割合が途中で変わるケースには、他にもあるのですか?
はい。一度過失割合の話が出たあとに、それを覆す新しい証拠が出てきた場合です。
たとえば、事故が起こり、早い段階で保険会社から「過失割合は100:0になりそう」という話があったとします。
しかしその後、被害者にも過失があったことを示す証拠が発見された場合、「今回の事故の過失割合は80:20になります」と言われるのです。
<まとめ>
過失割合が変更されるのは…
①物損部分での過失割合の”おまけ” |
②時間経過に伴う新証拠の出現 |
過失割合の基本的な考え方は理解できました。でも、保険会社とうまく交渉できるか心配…
初めての事故対応、不安ですよね。それなら、いっそ弁護士に全てのやり取りを任せてしまうのもオススメです。
過失割合は、示談金の金額を左右する大切な要素です。
もし保険会社の提示する割合が適正でないと感じたときは、納得するまでしっかり交渉を続ける必要があります。
その際に、交通事故対応のプロである弁護士を味方につけておくと、交渉を有利に進めることができます。
また、弁護士に依頼すれば、加害者側との交渉を一任できるので、治療に専念できるというメリットもあります。
さらに、適正な金額の休業損害や慰謝料も請求することができるので、十分な補償を受けられる可能性が高くなります。
アトム法律事務所は、24時間365日、無料相談予約を受け付けています。
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